MANUFACTURING / JAPAN SOURCING
プレス試作から量産へ、金型と部品の承認を分ける
試作品をどう作り、何を確認できたかを残します。そのうえで量産型、トライの条件、必要な根拠を合わせ、金型、部品、継続納品のどこまで認めるかを記録します。
試作品の合格を、作り方と一緒に残す
たとえば、板金ブラケットの試作品が組付けで問題なく使えた場面です。試作品は外形をトリムし、手で調整してあります。一方、量産案は順送型を使います。組付け確認の結果は役立ちますが、量産工程で繰り返し同じものを作れるかまでは確認できていません。
図面の版、材料と質別、板厚、抜き・トリムの方法、成形の工程、手直しの有無を試作品と一緒に残します。メックは、簡易な金型を使うプレス試作、レーザーでのトリム、手作業の組付けを説明しています。[1] 見た目が同じでも、背景の工程が同じとは限らない例です。
組付け、穴位置、曲げ形状、端部の状態など、何を確認したかを挙げます。調べていないことと、認めた図面からの差も残します。その内容を次のトライへ引き継ぎ、試作品の採用を量産工程の承認として扱わないようにします。
量産型を、どの設備と条件で確かめるか
量産部品をどの工程・型で作り、試作からどこが変わるか伺います。材料、金型の版、使用するプレス、送りや搬送の方法を特定します。ムツミ工業は、製品図、数量、使用プレスを確認して型を提案し、トライと測定で製品を確認する流れを説明しています。[2]
ブラケットの例では、重要な穴、曲げ位置、相手と合う面を図面に結び付けます。測定時に部品を自由な状態にするか、支持・固定するか、ばり取りや表面処理の前後どちらで測るかを合わせます。手直しして図面を満たす場合は、その作業と、量産の提案に含むかを記録します。
- 1試作品:作り方、確認した機能、図面との差を残す
- 2量産トライ:材料、型、プレス、測定状態を特定する
- 3判断:金型の範囲、部品、継続納品の可否をそれぞれ残す
承認の記録を整理する図です。型の設計やプレスの操作順序ではありません。矢印は情報の引継ぎで、一つの試作品の採用が金型や量産納品を自動で承認する意味ではありません。
量産の判断に必要なトライの根拠をそろえる
トライで再現する条件、数量や時間、試料の識別、検査箇所、変更の記録を供給先と合わせます。部品と買い手の要求により必要な根拠は違います。この記事で共通の試料数や工程能力の目標を設定するものではありません。
各試料を作った条件と測定結果を残します。ムツミ工業は、トライ品を測定して要求と比較することを説明しています。[2] 選んだ一個目の合格だけでは、予定する生産全体の安定性を示せません。別設備や仮の搬送を使うトライなら、提案する量産の構成で何が未確認かを明らかにします。
| 判断 | 残す根拠 | 未解決の問い |
|---|---|---|
| 試作品の機能 | 残す根拠作り方、見本番号、図面、組付け・機能の結果 | 未解決の問いどの部位や工程を再現していないか |
| 量産型の範囲 | 残す根拠型の版、工程、接続部、トライ計画 | 未解決の問い使う設備で何を確認する必要があるか |
| 量産部品 | 残す根拠材料、トライ条件、測定箇所、図面との差 | 未解決の問いその条件で合意した部品要求を満たすか |
| 継続納品 | 残す根拠採用する条件、検査・ロット記録、残る課題 | 未解決の問い誰が納品開始を認め、変更をどう確認するか |
| 型の取引条件 | 残す根拠含む仕事、保管・保守、引渡しの条件 | 未解決の問い型費で何を依頼することになるか |
承認したことと、残る条件を書き分ける
金型に頼んだ仕事の確認、できた部品の受入れ、継続納品の開始をそれぞれ判断します。確認担当、図面・型の版、根拠、例外、追加トライを残します。条件付きの判断なら、すべてを「サンプル承認済み」とまとめず、注文にも条件を引き継ぎます。
買うものが金型、供給先の型で作る部品、またはその両方かを合わせます。小松精機工作所は、金型と部品の一貫生産を説明しつつ、金型の販売はしないと明記しています。[3] 提案の型費が何を含み、どこで保管し、誰が保守し、どの資料と引渡し条件を伴うか伺います。型費という項目を支払うことだけでは、その条件までは決まりません。
量産納品の前に、材料状態、型の修理、成形工程、生産場所など、見直す必要がある変更を合わせます。保持する見本と検査記録を採用した版に結び付けますが、見本で図面や必要な測定を置き換えないようにします。調達の相談には、試作の工程と結果、量産案、数量、仕向地、まだ決まっていないことをお知らせください。
仕入先への質問例
確認文面を開く
部品の機能、図面の版、仕向地: 材料・質別、板厚、必要な完成状態: 試作の方法、試料番号、手直し、図面との差: 試作品で確認したことと、未確認のこと: 量産案の工程、型の識別と版、使うプレス: 送り・搬送、トライ設備や取扱いからの違い: 重要な箇所、ばり・端部の要求、成形・仕上げ: 測定の基準、支持・固定、仕上げ前後の状態: トライ条件、数量・時間、検査、変更記録: 金型、部品、継続納品それぞれの承認: 型費の範囲、保管・保守、資料、引渡し条件: 追加確認、担当、数量、未解決の問い:
出典
- MEC — Prototype manufacturing
試作のプレス、レーザートリム、簡易治具、検査の説明を確認。当該供給先の例であり、共通の試作方法・検査ルールにはしません。
- Mutsumi Industry — Press dies
仕様打合せ、使用プレス、トライと数値測定の説明を確認。設備能力、合格値、納期、受注可否は転用しません。
- Komatsuseiki — Press technology
型設計・製作・量産の一貫体制と、金型販売をしない旨の記載を確認。型の商用範囲を問い合わせる理由であり、所有権の共通ルールを導きません。