MANUFACTURING / JAPAN SOURCING
革の色見本を、量産の受入基準へどう残すか
現物の見本を、革・仕上げ・合意したばらつきと一緒に残します。完成品のどの面を比べるかも示し、一枚の中と、革・ロットの間の差を扱います。
小さな色見本だけでは、完成品の各面は決まらない
たとえば、財布用に茶色い革の見本を採用したとします。同じ色名で届いた部材でも、表と裏を並べると印象が違う。供給側の色の説明に沿っていても、買い手は一つの財布の中でもっと近い色を期待していたかもしれません。この条件は、裁断前に合わせておく必要があります。
ウィルクハーンの革の案内は、画面だけでなく現物を確かめることを勧め、天然の差や特定のアニリン仕上げを分けて説明しています。[1] 写真や色番号を相談の入口にし、発注で使う革と現物の基準を特定します。別の製品で選んだ仕上げを、そのまま今回の財布の受入基準にはしません。
見本を、革と仕上げの参照先へ結ぶ
供給側の革の品番、色、仕上げ、必要な厚み、見本の番号・日付を残します。その見本が、色、シボ、艶、あるいは合意した組合せのどれを示すかも書きます。仕上げを変える場合は、色名で以前の採用を引き継がず、改めて比べる見本を求めます。
供給側と買い手で、保持した見本を同じ観察条件で比べます。光、向き、対象の面、比較する方法を判断と一緒に残します。数値での色比較が必要なら、その革の方法、測る箇所、限度を合意します。共通の色差の限度をこの記事で決めるものではありません。
伊藤登商店は、天然皮革の部位や、革・ロットの間の色の差を説明しています。[2] 今回の注文に関係する差が分かる見本を求め、見える各面で何を認めるかを合わせます。「天然の跡」という説明だけでは、指定した正面へ使えるかは決まりません。
- 1見本の出所:どの革・ロット・部位の片かを残す
- 2基準の組:合意する色、シボ、仕上げ、ばらつきを特定する
- 3完成品:隣り合う部材や、見える面の比べ方を決める
革の形、位置、模様は説明用です。部位の品質地図、裁断の歩留まり、許容する色差を示していません。
完成品の、どの面で差を扱うか
財布なら、正面、背面、隣り合う部材を図で示します。二つの面の間、それぞれの面の中、納品全体のどこで色をそろえるかを伺います。シボの差や合意した跡を使える場所、近い見え方が必要な面も特定します。複数の基準見本があれば、「均一な革」という依頼より具体的に話せます。
外観の採用と、使用中の色の挙動は分けます。日本皮革研究所は、用途に応じた摩擦、色移行、光による変化などの評価を案内しています。[3] 見た目の色が合っていても、こすれや色移りの根拠にはなりません。実際の使い方を供給側・試験側へ伝え、関係する評価を別に合わせます。
| 決めること | 見本と一緒に残すこと | 解決する問い |
|---|---|---|
| 色・シボ・仕上げ | 見本と一緒に残すこと革の品番、現物の見本番号、比較条件 | 解決する問いどの範囲を、どの外観面で認めるか |
| 一つの製品の中 | 見本と一緒に残すこと部材の図、隣り合う片、正面・背面の指定 | 解決する問いどの片を組としてそろえるか |
| 納品全体 | 見本と一緒に残すこと革・ロットの識別、代表する片、採取の合意 | 解決する問いばらつきをどう確かめ、報告するか |
| 使用中の挙動 | 見本と一緒に残すこと取扱い・接触するもの・環境、必要な根拠 | 解決する問い別に必要な評価と基準は何か |
| 再注文・変更 | 見本と一緒に残すこと保持した見本、日付、採用した版 | 解決する問いロット・仕上げ等の変更で見直すか |
採用した範囲を、納品の記録へ残す
発注前に、見本番号、合意したばらつき、部材同士の合わせ方を材料仕様と一緒に残します。迷う場合は誰が何の根拠で判断するかも合わせます。できれば買い手・供給側で対応する見本を保持し、後でも同じ採用内容と比べられるようにします。
納品では、供給する革と評価した片を、注文・ロットの参照先へ結び付けます。見え方が合意した範囲から外れる場合は、説明や変更案を求めます。記録のない差を、後から採用済みにはしません。新しいロットや仕上げの提案も、関係する見直しが終わるまでは分けて扱います。
調達の相談には、革の参照先、作る製品、仕向地、外観でまだ決まっていないことをお知らせください。現物の見本と部材の図があると、色を選ぶ段階か、量産で受け取る条件を決める段階かが日本の供給先へ伝わります。
仕入先への質問例
確認文面を開く
供給側・革の品番、色、仕上げ、必要な厚み: 現物の見本番号、日付、双方で保持する見本: 作る製品と、隣り合う片を含む外観面の図: 各見本が示す色、シボ、艶、跡の範囲: 提案するばらつき、対象の面、一製品内の合わせ方: 光・向き・比較方法、必要な場合だけ数値での方法: 革・ロットを代表する片、採取、納品の識別: 別に必要な使用中の色の評価と基準: 迷う場合に判断する担当と、必要な根拠: 再注文のロット、仕上げ等で見直す変更: 仕向地と、未解決の問い:
出典
- Wilkhahn Japan — Leather colours and materials
革の製品群の下の注記を確認。画面と現物、シボ・色の差、特定シリーズのアニリン仕上げを参照。家具用途の承認や天然の跡の一律受入を他製品へ転用しません。
- Itoh Noboru Shoten — Characteristics of its natural leather
色ムラ・ロットブレの節と表面特徴の説明を確認。供給者の説明であり、共通の等級・不合格基準にはしません。写真は転載していません。
- Japan Institute of Leather Research — Colour transfer and colour change
導入、摩擦、色移行、耐光の試験区分を確認。初期外観と使用中の色の挙動を分ける根拠。手順、試料寸法、費用、合格等級は転用しません。