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色校正が合っても量産印刷の色が違うとき、何を比べるか

色を重視するカタログ表紙でも、承認したPDFと量産の印刷紙では、確認したことが違う場合があります。基準見本、紙、印刷・加工の条件、観察環境をそろえて違いを調べます。

目次

  1. 何を承認したのかを、先に明らかにする
  2. 想定した印刷条件と、実際の紙を比べる
  3. 比べるときの、見え方の条件をそろえる
  4. 基準を変えずに、違いの理由を調べる
  5. 増刷にも使える、承認の記録を残す
  6. 仕入先への質問例

何を承認したのかを、先に明らかにする

ノートPCで表紙を承認し、後から加工済みの量産紙を店内の照明で見る場面を考えます。違って見えれば調べる必要がありますが、その二つの観察だけで印刷の誤りや合意した色の基準は特定できません。

印刷会社Sheridanの案内は、内容確認用の校正と色承認用の校正を区別しています。[1] 提案された校正で何を確かめるのかを聞きます。PDFはファイルの形式で、色の確認にどう使うかは、合意した作成・観察の流れによって決まります。

三つの基準で、確認できることを分ける
三つの基準で、確認できることを分ける123
  1. 1入稿データ:版と、内容・配置の承認
  2. 2色の基準:校正方式、想定する印刷条件、紙
  3. 3量産との比較:実際の紙・仕上げと、合意した観察

架空のカタログ表紙の比較です。全案件共通の承認順や色差の許容値を示すものではなく、図の色も印刷用の基準色ではありません。

想定した印刷条件と、実際の紙を比べる

校正方式、想定する印刷条件と必要なプロファイル、実際の印刷方式、インク・色の構成、用紙の品種・色、仕上げを残します。Sheridanも、色校正には本番の紙ではなく校正紙を使う場合があると説明しています。[1] 今回の校正が何を表し、何を再現できないかを確認します。

表紙で使う塗工、ラミネート、特色なども仕様に含めます。加工前の印刷紙と完成した表紙のどちらで色を判断するか、選んだ校正で表せない効果は実物の試作が必要かを合意します。

比べるときの、見え方の条件をそろえる

EIZOは、周囲の光によって印刷画像の見え方が変わることを説明しています。[2] 離れた場所でサンプルを比べる前に、観察条件を合意し、実際に使った条件を残します。スマートフォンで撮った写真は相談には使えますが、それだけで管理した目視比較を相手へ渡せるわけではありません。

画面で色を判断する場合は、表示の流れをどう管理し、どの印刷条件を確認しているのかを聞きます。普段の画面での承認を、別に合意した現物の色基準と同じものにしないようにします。

承認と比較の条件を、記録に残す
対象承認の記録違いの確認
原稿承認の記録ファイル・版、色分解、承認した内容違いの確認校正と量産紙は同じ入稿データか
校正承認の記録方式、想定条件・プロファイル、見本の識別違いの確認内容と色の、どちらを承認したか
紙と仕上げ承認の記録校正紙と本番紙、塗工・ラミネート違いの確認どの紙・仕上げの差を校正に反映したか
観察承認の記録合意した照明・見方と、実際の比較条件違いの確認同じような条件で見比べているか
判断承認の記録保持する基準、条件、日付、承認する担当違いの確認追加の根拠や修正版の見本が必要か

基準を変えずに、違いの理由を調べる

入稿データと承認見本へ戻り、紙、インク・印刷条件、校正条件、仕上げに変更があったかを聞きます。関連する生産管理情報も確認します。文星閣は自社の流れで濃度、見当、用紙等の管理を説明しています。[3] それらの管理と、今回合意する受入条件は対応させる必要があります。

測色した色差を受入に使うなら、測定方法、条件、位置、限度を技術の担当者と合意します。結果を見た後で共通の色差数値を持ち込んだり、一つの色の値が近いだけで紙や仕上げの違いを無視したりしないようにします。

増刷にも使える、承認の記録を残す

受け入れた校正や量産見本を日付付きで特定し、原稿の版と紙・仕上げの仕様を残します。指摘が解消したのか、例外として認めたのか、未確認なのかも分けます。「承認」の一言だけでは、その違いは残りません。

増刷では、同じ紙と工程を使えるか、何が変わると再確認が必要かを聞きます。改めた価格や色合わせの約束を比べる前に、基準と未確定事項を仕入先へ共有します。

仕入先への質問例

確認文面を開く
製品:色を重視するカタログ表紙
数量・寸法・仕向地・希望時期:
入稿データの版と色の構成:
校正方式、想定する印刷条件・プロファイル、見本の識別:
本番紙、インク・印刷方式、塗工・ラミネート:
内容、色、最終仕上げの承認を分けてください。
観察・測定条件、受入条件、承認する担当をご提案ください。
校正で表せないものと、実物の試作が必要かを記載してください。
増刷に向けて、変更・例外・保持する基準も確認したいです。
質問例を保存 ↓

出典

  1. Sheridan — Press proofs: a primer

    2017-05-16の印刷会社の記事で内容確認用・色確認用の区分と校正紙の違いを確認。費用・日数・ソフトプルーフの限界を全工程へ一般化しません。

  2. EIZO — Environment preparation for colour matching

    周囲の光と印刷物の見え方に関するメーカー説明。商用印刷の観察環境への認証ではありません。

  3. Bunseikaku — Factory, printing and quality descriptions

    用紙・印刷・後加工の範囲と濃度・見当管理の説明を確認。今回の色差基準や工程能力は未確認。

品物、仕向地、まだ決まっていないことをお知らせください。見本や、途中の仕様書から相談できます。

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