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医療機器部材の試作に、用途と品質記録をどう伝えるか

材料の資料、供給者の品質管理の認証、完成した医療機器の根拠は、答える問いが違います。試作する部材の図面、納品状態、何を評価するかを結び付けます。

目次

  1. この試作で、何を確かめたいかを伝える
  2. 資料ごとに、答えられる問いを読む
  3. 試料が、どの状態で届くかを決める
  4. 工程が変われば、以前の試料と比べ直す
  5. 部材の作り手が回答できる依頼にする
  6. 仕入先への質問例

この試作で、何を確かめたいかを伝える

たとえば、医療機器の組立品に使う、小さな切削スリーブを発注する場面です。図面で形状は分かりますが、机上での嵌合確認、製造のトライ、完成した機器の評価のどれに使うかは未記載、という仮例です。作り手には、予定する評価、納品する状態、試料と一緒に残す記録を伝える必要があります。

部材と図面の版、組立品での役割、試料数、仕向地を示します。身体への直接・間接の接触が想定されるなら、機器の担当が定める接触面や時間も伝えます。まだ不明なら未解決と残し、材料名や「医療用」という言葉から接触を推定しないようにします。

頼むものが部材、部分組立品、完成機器のどれかを明記し、機器全体の評価を担う人を決めます。「試作品」と呼ぶだけで製品の区分や使用の可否が決まるものではありません。未評価の目的に使う前に、機器の責任者と専門担当が判断する事項です。

資料ごとに、答えられる問いを読む

ISOはISO 13485を、医療機器と関連サービスに関わる組織の品質管理システムの規格として説明しています。[1] 供給者の認証なら、組織名、拠点、対象の仕事、有効性、今回の工程との関係を読みます。組織の根拠は、図面に対応する試料の結果や、完成機器の状態と分けて残します。

米国についてFDAは、施設登録と機器のリスティングが承認・クリアランス等を意味せず、機器の施設登録証明書も発行しないと説明しています。[4] 登録しているという言葉を、実際の機器と用途の確認の代わりにせず、責任を持つ担当へつなぎます。この区別で、他国の要件まで決めるものではありません。

FDAの生体適合性の説明は、適用する加工や滅菌を含む最終状態の機器全体を対象とし、製造に使う個々の材料を承認するものではありません。[2] 部材を評価する機器の担当へ、実際の材料と工程の情報を渡します。材料のデータシートを、そのまま完成機器の生物学的評価にはしません。

部材と記録を結び、機器全体の評価へ渡す
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  1. 1部材:図面の版と、試料の識別を結ぶ
  2. 2記録:納品状態の材料、加工、検査を残す
  3. 3機器の評価:完成機器での使い方と合わせて確認する

スリーブは架空の部材です。線は同じ部材と記録の対応、破線の囲みは別に行う機器全体の評価を示します。資料や図面に、承認済みの印を付けたものではありません。

試料が、どの状態で届くかを決める

仮例のスリーブなら、切削、仕上げ、洗浄、梱包のどこまでを含み、その後の仕事を買い手や別の供給者の誰が行うかを合わせます。滅菌が関係するなら、予定する評価での位置付けと担当工程を特定します。合意した根拠がない試料を、滅菌済みとは記載しません。

案件に必要な粒度で、材料と工程を追える情報を求めます。材料証明書、寸法結果、表面や清浄度の根拠、専門的な評価を分けます。実物とのつながりが分からない資料の束よりも、試料の識別と納品状態をたどれることが役立ちます。

発注前にそろえる、試作部材の情報
項目依頼に示すこと回答で求めること
目的と製品の区分依頼に示すこと部材・部分組立品・機器、予定する評価、担当回答で求めること前提、対象外、未解決の用途情報
図面と試料依頼に示すこと部材・版、数量、試料の識別、確認箇所回答で求めること正しい試料と図面の版に結び付く個別結果
材料依頼に示すことメーカー・材種・仕様、ロットの要求、代替提案回答で求めること実際の材料、ロットの参照先、相違点
工程と納品状態依頼に示すこと切削、仕上げ、洗浄、梱包、その後の仕事回答で求めること実施工程、外注の範囲、納品する状態
接触と評価依頼に示すこと機器の担当が示す接触の情報、評価計画回答で求めること提供できる情報、専門担当に残る不足
変更と受入れ依頼に示すこと承認担当、必要な根拠、試料の使用範囲回答で求めること提案する変更、残る仕事、処置の記録

工程が変われば、以前の試料と比べ直す

試作先から、材料の仕入先や洗浄工程を変える提案があったとします。再注文の前に変更を残します。同じ材料の呼び名だけでは、前の試料と新しい試料の違いは分かりません。

FDAの記録例は、配合、工程、滅菌、形状を比較し、変更には裏付けの情報を求めています。[3] 実際の案件に必要な比較や追加の根拠は、機器の担当の評価で決めます。二つの供給者の部材が同等だと宣言するための例ではありません。

材料、工程、拠点、外注する仕事が変わるときの通知と、採用できる担当を合意します。少数の試作品の寸法が合格しても、機器全体の要件や量産の安定性まで確認したことにはなりません。量産を発注する前に、試料をどう扱い、何の確認が残るかを記録します。

部材の作り手が回答できる依頼にする

調達の相談には、部材の役割、図面の版、予定する試作評価、仕向地、不足している情報をお知らせください。日本の部材供給者へ、納品状態、記録、提案する相違点を伺うための問いを整理できます。機器の設計、生物学的評価、販売要件は、責任を持つ専門担当と確認します。

見積では、試料製作と、追加の検査、工程資料、専門試験を分けます。出せる根拠、その限界、別の担当が必要な仕事を伺い、説明のない「医療グレード」という言葉ではなく、条件が分かる部材の提案を次の判断へ使います。

仕入先への質問例

確認文面を開く
部材の役割と、完成した組立品:
依頼の区分:部材、部分組立品、完成機器:
図面の版、材料要求、試料数:
予定する試作評価と、試料を使う範囲:
身体への直接・間接接触、面、時間、又は未解決の点:
仕向地、機器・品質の確認担当:
切削、仕上げ、洗浄、梱包、納品状態:
関係する場合の滅菌の位置付けと担当工程:
材料・ロット、工程、個別の検査記録の要求:
予定する専門評価と、不足している情報:
相違点、材料・工程・拠点の変更と通知:
承認担当、処置、量産前に残る仕事:
試料製作、資料、検査、追加の評価を分けてご提示ください。
質問例を保存 ↓

出典

  1. ISO — ISO 13485:2016 overview

    公開の品質管理システム概要と組織の対象範囲を確認。規格全文、供給者の認証監査、機器の承認評価ではありません。

  2. FDA — Basics of Biocompatibility

    完成状態の機器と材料・加工の範囲を参照。米国FDAの例で、試験項目、接触区分、国別の申請経路は選定しません。

  3. FDA — Component and Device Documentation Examples

    部材の比較と工程・配合の変更を参照。FDAの一般的な記録例で、当該部材の同一性や試験省略を認める資料ではありません。

  4. FDA — Registered or certified medical devices

    施設登録・リスティングと機器の承認等、証明書の説明を参照。米国の区別で、特定企業の登録や個別機器の承認を照合したものではありません。

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