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銅材の導電性と強度を、同じ条件で比べるには
数値を比べる前に、供給形状と質別を特定します。単位、温度、試験の根拠と、その数値が代表値、仕様、納品ロットの結果のどれかを確認します。
電気・機械・成形で必要なことを挙げる
たとえば、小さな電気端子に使う銅合金条を選ぶ場面です。導電性と永久変形しにくさが必要で、曲げる箇所も要求を満たす状態に仕上げたい。二つのカタログから最も大きな導電率を選ぶだけでは、この三つの問いは解決しません。
完成部品に必要な電気特性、機械特性、成形、使用温度の要求を示します。提案する合金、質別、条の厚み、後の加熱や接合も特定します。引張強さ、耐力、硬さ、応力緩和の要求は分け、設計で必要な特性を別の数値で置き換えないようにします。
数値を組み合わせる前に、見出しと注記を読む
神戸製鋼のSuperKFCのページを例に読みます。[1] 物理特性表の導電率には293Kとあり、物理特性は代表値と注記されています。H質別の記載は85%IACSです。一方、機械特性表のHの引張強さは430〜530MPaで、引張強さ・硬さは標準仕様、技術仕様は顧客の要求に応じて決めると説明しています。
この二つの記載は、根拠としての役割が違います。導電率の代表値が、そのまますべてのH材の下限値になるわけではありません。機械特性の範囲も、今回納品する片を測った結果ではありません。別の質別の高い強度と、Hの導電率を合わせて、一つの納品材の特性にしないようにします。今回の厚み・質別で、何を仕様として合意できるか供給先に伺います。
三菱マテリアルのZCのページも、物理特性の代表値と、質別で整理した機械特性を分けています。[2] 比較表へ移す際は、どの製品・条件の情報かを残します。必要な条件が資料にないときは、他製品の値で穴を埋めず、未確認のまま問い合わせます。
- 1提案材:合金、質別、形状、厚み、資料の版を特定する
- 2掲載値:単位、温度、方法、代表値か仕様かを読む
- 3発注:合意する要求と、納品ロットの根拠を確認する
データを比較するための図です。強度と導電率のグラフではなく、材種の順位や、別々の最大値を同時に得られることを示していません。
同じ材料状態で、必要な特性を比べる
導電率は、単位と温度を一緒に残します。電気伝導と熱伝導を混ぜず、抵抗率の数値をそのまま導電率の百分率と比べないようにします。換算が必要なら、ラベルだけを変えて写さず、換算の根拠と温度を確認します。
機械特性は、試験の根拠、試験片の方向、供給状態を求めます。成形では、曲げる方向、厚み、半径、評価方法をそろえます。神戸製鋼の曲げ性の注記も、方向を分け、厚みによる違いを示しています。[1] 別の方向や厚みの曲げ結果だけでは、この例の端子図面を満たすとは決まりません。
| 項目 | 掲載値と一緒に残すこと | 今回の提案で確かめること |
|---|---|---|
| 材料状態 | 掲載値と一緒に残すこと合金・製品、質別、形状、資料の版 | 今回の提案で確かめること納品する厚み・寸法と工程の違い |
| 導電率 | 掲載値と一緒に残すこと電気の単位、温度、代表値か下限値か | 今回の提案で確かめること要求値、試験の根拠、供給先が約束する範囲 |
| 機械特性 | 掲載値と一緒に残すこと特性名、単位、方向、材料状態 | 今回の提案で確かめること設計の要求と受入れの根拠 |
| 成形 | 掲載値と一緒に残すこと方向、厚み、曲げ形状、評価方法 | 今回の提案で確かめること重要な部位に条件を合わせた試作 |
| 加熱と使用 | 掲載値と一緒に残すこと特性を測った時点の材料状態 | 今回の提案で確かめること後工程による影響と必要な根拠 |
| 納品の証拠 | 掲載値と一緒に残すこと資料の表とロット報告の区別 | 今回の提案で確かめることロット識別、報告値、注文の要求 |
材種を変える前に、今回の条件で確認する
供給先へ、納品する状態、図面から変わること、提出できる根拠を伺います。試作が必要なら、指定方向の曲げ、成形後の重要寸法など、何を確かめるかを決めます。その判断を、材料状態と図面の版と一緒に残します。
導電性と強度の組合せをカタログで見ることは、候補の絞り込みに役立ちます。それだけで端子、バスバー、放熱部品への代替材を承認することはできません。形状、必要特性、試験が用途により違うためです。端子の例では、電気・機械・成形の根拠を誰が確認して変更を採用するかを残します。
調達の相談には、現在の材料要求、代替案、関係する供給先の資料、図面、数量、仕向地をお知らせください。比較で足りない条件を示すと、日本の供給先も回答しやすくなります。試験条件がない箇所は、同じ性能の根拠ではなく、解決する問いとして扱います。
仕入先への質問例
確認文面を開く
部品の機能、図面の版、仕向地: 現在の材料要求と、提案する合金・製品: 質別、供給形状、厚み・寸法、後工程: 電気特性の要求、単位、温度、試験の根拠: 実際に必要な機械特性、単位、試験片の方向: 成形方向、厚み、重要な曲げ形状、評価方法: 使用・工程の温度と、その条件での根拠: 各数値を参照した資料と版: 代表値、仕様、実際のロット結果の区別: 供給先が約束する範囲と、依頼からの変更: 試作で確かめる問い、合格条件、確認担当: ロット識別、必要な報告書、数量、未解決の問い:
出典
- KOBELCO — SuperKFC copper alloy properties
物理特性の注記、質別ごとの機械特性表、曲げ性の注記を確認。293Kの導電率は代表特性。引張強さ・硬さの標準仕様と顧客の技術仕様を区別。他材への置換推奨にはしません。
- Mitsubishi Materials — ZC technical data
物理特性の代表値の見出し、1/2H/H/EH/SH別の機械特性表、硬さの参考値注記を確認。合金名だけで比較条件はそろわない例として参照。ZCの数値は転載しません。