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バリア紙へ変える前に、何を同じ条件で試験するか

酸素透過度の数字が同じでも、試験条件まで同じとは限りません。乾燥したスナックの袋を紙に変えるなら、材料の構成、測定条件、完成した袋を分けて確かめます。

目次

  1. 性能値には、試験条件を添える
  2. 完成した包材の、全層を確認する
  3. 折って、貼って、袋にした状態を見る
  4. 中身と保存の条件を、比較できる形にする
  5. 採用の根拠を、再注文にも残す
  6. 仕入先への質問例

性能値には、試験条件を添える

架空の2つの報告書で、酸素透過度がともに3 cm³/(m²・day)だったとします。一方は23℃・乾燥条件、もう一方は23℃・相対湿度50%です。同じ数字だけでは、性能が同じとは判断できません。説明用の例で、実在する紙の測定結果ではありません。

試験方法と版、温度、必要な両側の湿度条件、試料の構成、前処理、圧力の基準を含む単位を集めます。Jujo Thermalの公開グレード表でも、性能値は温度・相対湿度・単位と併記されています。[2] 別の積層構成や完成した袋の性能を、その表から確定することはできません。

同じ対象と条件で、数値を比べる
確認する項目結果と一緒に残すことその結果だけでは決まらないこと
酸素透過度(OTR)結果と一緒に残すこと方法、温度、湿度、単位、圧力の基準その結果だけでは決まらないこと水蒸気へのバリア性、賞味期限
水蒸気透過度(WVTR)結果と一緒に残すこと方法、温度、湿度差、単位その結果だけでは決まらないこと酸素へのバリア性、シールの健全性
測定した試料結果と一緒に残すこと品種、厚さ・坪量、全層の構成その結果だけでは決まらないこと折り・シール・充填後の性能
合格の条件結果と一緒に残すこと商品に必要な要件、試験、判断する担当その結果だけでは決まらないこと紙包装すべてに共通する合格値

完成した包材の、全層を確認する

「バリア紙」だけでは、層の構成は分かりません。原紙の品種、バリア処理、印刷、接着剤、シーラントなどを確認します。日本製紙はシールドプラスについて、塗工によるバリア性の付与と、シーラント層を積層した加工を説明しています。[1] ほかの品種まで同じ構成とは限りません。

食品に接する面と、シールで接合する面も確かめます。「紙の袋」という呼び方だけで、プラスチック不使用、仕向地でのリサイクル可否、対象食品への接触適性が決まるわけではありません。

材料から、使う袋へ確認を進める
材料から、使う袋へ確認を進める123
  1. 1平らな材料:全層の構成と測定試料を特定する
  2. 2加工した袋:折り、継ぎ目、シール条件を確認する
  3. 3商品入りの袋:中身と保存条件を合わせて評価する

それぞれ評価する対象が異なります。前段階の合格が、次の段階の承認を意味する図ではありません。

折って、貼って、袋にした状態を見る

予定する折り、マチ、シール、印刷を反映した袋で試作します。成形や接合をした場所を確認し、損傷と漏れをどう評価するか、加工会社と試験機関で決めます。AMETEK MOCONの公開概要も、塗工紙のバリア測定には課題があるとしています。[3] ただし、その概要だけで試験手順は決まりません。

実際の塗工構成に合う試料の準備と方法を、試験機関に確認します。材料を通る透過と、シールや欠陥からの漏れは分けます。対象や単位が違う結果を一つの順位表にせず、試作ごとにシール設備と設定を残します。

中身と保存の条件を、比較できる形にする

乾燥したスナックなら、現行袋と候補袋で、商品、充填量、袋内の空間の扱い、充填条件、保存計画をできるだけそろえ、違った点を記録します。食感、香り、袋の状態など、何を、いつ、誰が評価して承認するかを先に決めます。

これは比較の進め方の提案で、検証済みの食品安全試験や賞味期限の予測ではありません。商品の安全、食品接触、賞味期限には、それぞれ責任を持つ担当の確認が必要です。平らな材料の性能値だけで、その判断はできません。

採用の根拠を、再注文にも残す

候補を採用する場合は、品種と全層の構成、袋の図面、承認見本、加工・シール条件、試験報告、合格条件を残します。塗工、接着剤、シーラント、袋の大きさ、充填工程が変われば、その記録と照らして影響を確認します。

価格と数量は、塗工した材料、印刷済みの巻取、完成した空袋、充填済み商品など、何を受け取る見積かをそろえて比べます。環境に関する表示は、完成包装と仕向地について何を根拠にできるかを別に確認します。材料を変えたことだけでは根拠になりません。

仕入先への質問例

確認文面を開く
現行の乾燥スナック用袋から、紙を使った包材への変更を検討しています。
現行の層構成・袋寸法・商品・充填量:
候補の紙の品種と全層の構成:
性能報告には方法と版、試料、前処理、温度、湿度条件、単位を記載してください。
平らな材料、加工した袋、商品入りの袋で、それぞれ何を評価しますか。
加工とシールの試作条件、合格条件、判断する担当、未確認事項を教えてください。
保存・流通条件と仕向地:
質問例を保存 ↓

出典

  1. Nippon Paper — Barrier paper R&D

    紙への塗工とシーラント層を用いた加工のメーカー説明。当該製品の説明であり、全バリア紙共通の構成ではありません。

  2. Jujo Thermal — Flexible packaging papers

    特定グレードの表で温度・相対湿度・単位と併記された性能値を確認。この記事ではグレードを選定していません。

  3. AMETEK MOCON — Coated paper testing

    塗工紙の測定に課題があることを述べる公開概要のみ確認。登録が必要な資料は未読。

品物、仕向地、まだ決まっていないことをお知らせください。仕様が途中の段階から相談できます。

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